乙女のためいき
2013年 04月 15日
みっ:あ~あ・・・・
みっ:お久しぶりね。
どうせね、あたしみたいな年増でオカマの茶トラ猫なんて
登場するのは半年に1回くらいよ。
ひどい話しじゃない。
みっ:おまけにねぇー、ミサイル飛んできそうじゃない。
あたし、横須賀の隣りの逗子に住んでいるから。
これって、避難訓練したところでどうしようもないってことじゃない。
どうすればいいわけ?
あたしどこへ逃げればいいの?
みっ:まったくついていないったらねぇ・・・
最近いいことないのよぉ~~
みっ:あたしもねぇー、今年もう8歳になっちゃうのよ。
正真正銘の年増よね。かなしくなっちゃう・・・
みっ:それでね、8歳っていえば人間で言う・・・
ちょっと!誰っ? あたしの前を横切ったのは誰っ?
みっ:ちょっとあんた、ちょっとかわいいからって
調子に乗るんじゃないわよっ!
何の話しだったっけ?
ああ、そう。
歳の話しだったわね。
そうよ、あたし8歳ってことは中年よ。
かなしいけど、中年よ。
一説には60歳だなんてひどいことを言う人もいるわ。
でもね、あたしは人間にしたら48歳の年男ってことにしておきたいわ。
間違えちゃったじゃない!年女よっ!
ろに:今朝も目覚めたら自分がかわいかった。
朝から晩までかわいい自分が怖くなってきた。
みっ:自惚れの強いタイプを見ると、虫酸が走るわ。
あたしが暴れないうちに姿を消してちょうだい。
みっ:だけどね、正直言って、最近加齢との闘いよ。
華麗なるあたしが加齢と闘っているのよ。
カレイは好きよ。あたしお魚なら何でもいけるクチよ。
言ってみたかっただけよ。
ろに:生まれて半年以上経ったけど、相変わらずかわいいということは
ろにはこの先もずっと、一生かわいいのだとおもう。
だから一生かわいいことを重荷に感じながら生きていかないと
いけないって昨日しみじみ感じた。
大変だけどがんばらなくちゃ。
それがかわいく生まれた者の運命(さだめ)だから。
みっ:おやめっ!!
何度言ってもわからないようなら、力づくでわからせるわよ!
みっ:後ろから撮るのはやめてよね。
最近ね、目がショボショボしてね、目ヤニが多くなったのよ。
それとね、忘れっぽいっていうの?
ろに:かわいいと叱られる。
今ミックおじちゃんに叱られた。
自分の意思とは関係なくかわいく生まれてきてしまったばかりに
誤解を招いてしまう自分を憐れにおもう。
かわいく生まれてかわいく育つと、心がどんなに清くても
敵ばかりが増えてしまうんだな、って最近わかるようになってきた。
みっ:おい、お前。
そんなに自信に充ち溢れたいのなら、ひとりになれる所でおやりなさい。
目ざわりよ。
ろに:ただかわいく生まれてかわいく育ってしまっただけなのに
心ない人は目ざわりだとまで言う。
とてもつらい・・・・
でもせっかく生まれてきたからには、かわいくて大変でも
一生懸命生きていこうとおもっている。
みっ:まったく・・・・何よ、あれ。
ひがみ・・・?違うわよ。
あれだけ思いあがっていたら、誰だって腹が立つってものよ。
違うって。
若いコへの嫉妬心やひがみの心じゃないわよ~
あたしがそんなに心の狭いオンナに見える?
みっ:あたし・・・前から言っているけど、からだはオトコでも
心はオンナよ。
それでね、何だったかしら・・・?
みっ:ああ、そう。
この間ね、カラオケに行ったのよ。
それでね、舟歌を歌ったわけ。
ところがよ!
歌詞が思い出せなくてね・・・
モニターに歌詞が出るだろうって?
あたし字が読めないもの。
だって、猫だもん。
みっ:だから
♪ 肴は炙ったイカでいい ♪ って
最初から最後まで、この歌詞で歌ったわ。
だって仕方ないじゃない!
悔しいけど、思い出せなかったんだからー
歌ってごらんなさいよ。
最初から最後までずっとこの歌詞だけで歌えるからっ!!
みっ:炙ったイカ・・・
美味しそうよね。
食べてみたいわよ。
だって、あたし食べたことないもの。
くれないのよ、飼い主が。
イカを食べると腰を抜かすからダメだって。
でもあたし知ってるわ。
炙ったイカにマヨネーズと七味唐がらしが合うってこと。
死ぬまでに一度は食べてみたいわよ~
もういつ死んでもよくなったら食べようかしらねぇ~
みっ:だけどね~、まだまだあたしやりたいことあるのよ。
だってあたしの王子さまともまだ知り合っていないじゃない。
だから、まだまだ炙ったイカに会える日は来ないわねー
炙ったイカと王子さまだったら、あたし王子さまがいいもの。
あたしの王子さま・・・・
なかなか出会えないけど・・・・
みっ:王子さまって、本当に馬に乗っていて
カボチャみたいなパンツはいていて
白いタイツはいていて
頭には王冠が乗っているものなの?
だって、そんな男子見たことないもの。
そりゃあね、あたし家猫だから、やたらふらふらと外を歩いている
わけじゃないわ。
それにしても、テレビの街頭インタビューとかでもそういうスタイルの
人っていないじゃない。
もしかして、王子さまって本当はいないんじゃないのかしら?
みっ:夢見る乙女のガラスのハートを壊さないように
みんなあたしに嘘をついているんじゃないかしら・・・?
それとも、なかなか出会えないからこそ、ステキなロマンスが
生まれるのかしら?
王子さまってお城に住んでいるんでしょ。
この辺りだと、いちばん近い所で小田原城っていうのがあるのよ。
だから小田原に行けば王子さまに出会えるチャンスがあるわね、きっと。
みっ:今度箱根にお墓参りに行く時に、あたし小田原まで
一緒に連れて行ってもらおうと思うわ。
途中で 降ろしてくれればいいから。
うふふ~たのしみ~♪
そうと決まったら、ボディのお手入れしなくちゃね。
じゃ、あたし忙しいから。またね。
ろに:かわいいから得だとおもっていたけど
かわいいから大変なことが多くなってきた。
それだけかわいいと、もう彼女いるんでしょ?なんて
嫌味を言われたりする。
これだけかわいいと、ハードルが高すぎるらしくて
誰もロニに近づいてこなくなった。
恋人だけでなく、お友だちもできないかもしれない。
かわいいってことは、その反面寂しいってことでもあるって
昨日あたりから思うようになった。
by tabith
| 2013-04-15 14:50
| ねこ