ぷぅたん最後のがんばり

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今日は夕方、たばうぬさんと海岸へお散歩に行きました。
いつも老犬に付き合わせて、充分なお散歩ができなかったことを反省して、たばうぬさんだけのお散歩です。うめぽんには無理をさせないように、お留守番してもらいました。
ぷぅたんを置いていくのはしのびないので、月曜日からたばうぬにぷぅたんの首輪とリードをつけてお散歩してます。そんなわけで、変ですが、たばうぬさんは2つの首輪とリードをしています。

真っ先に海に入ってしまうかと思ったのですが、意外にも遠くへは行こうとしません。
途中、10歳くらいの今まで会ったことがないゴルさんが近寄ってきました。
たばうぬさんは、いつものクセで何もしていない優しいゴルさんに怒り出します。
最近の悩みは、クンクンされると怒り出すことです。
腹膜炎の手術後からこのような性格が見え始めました。それまではそんなことはなかったのに。犬見知りが激しくなって、どうしたら良いものか困っています。

思い出すのはつらいことなのですが、自分自身が忘れないため、ここへ遊びに来てくださるみなさまの今後の参考のため(なんてたいしたことではないのですが)にぷぅたんの最後の時の様子を書き残しておきたいと思います。

11日土曜日は、わんパラへ行くことになっていました。
ぷぅたんは、気がすすまない様子ではありましたが、朝ごはんを半分きちんと食べました。
車でケロッピすることが予想されたので、ぷぅたんは半分にしておきました。
その後、きんちゃんとお散歩へ出かけました。帰ってきたきんちゃんは「ぷりは無理じゃないかな。ヨダレをたらしているし、途中で動けなくなって涙流してたよ」と言います。
それから、ブラッシングもさせたし、お洋服もいつもの様子でもたもたしつつも着たのです。
荷物を車に積み込み「ぷぅたん行くよ」と言っても、いつもの場所に寝ていて動きません。
抱っこして持ち上げましたが、力がありません。
夕方には猫とお留守番の母が来るけど、置いて行くのも心配だし、とりあえず病院へ連れて行こうということで、玄関へ運びました。
玄関でもぷぅたんは動けません。立てないぷぅたんを持ち上げ、下ろした時に、玄関のたたきにアゴをぶつけました。「コン」と音がするくらい。
これはただ事ではないと感じました。
きんちゃんと一緒に車に運び、いつもお世話になっている病院は休診ということがわかっていたので、隣の葉山町に最近開業した病院があると聞いていたため、そちらへ向かいました。
もうすぐ病院という頃になって、ぷぅたんの息が荒くなってきて、吐きたいような素振りを見せました。
「ぷぅたんいいよ」と言って背中をさすったりしていたのですが・・・・

今考えると、あの時窒息しそうで苦しんでいたのです。
それに気づいてあげられなかったのです。
苦しそうな様子が少し続いた後、ぷぅたんは急に全身で「伸び」をしました。
「死んでしまう」ってわかりました。
息が止まり、口の中はみるみるうちに真っ白になっていきました。
舌が力なく口からはみ出しました。
目を見開きました。いつもと違う目でした。
口を開けて、息を吹き入れました。
でもそんなことでは、息がもれてしまいます。
吐きたかったものが詰まっているかもしれない、と考え、指を喉の奥に入れました。
それで2度ほど息を吹き返したのですが、呼吸は始まりません。
後で思ったのは、口をしっかりふさぎ、鼻から息を入れればよかったのかもしれなかったということでした。
初めての動物病院でしたので、聞いていた場所に見当たらず引き返し、近くのお肉屋さんで聞きました。「ここをまっすぐ行けば・・・」ということで向かいましたが、見つかりません。
どんどん細い道へ入ってしまい、行き止まりになった道を引き返しました。
その時間がもったいなくて、わたくしときんちゃんはパニック状態でした。
うめぽんが若い頃にお世話になっていた病院が近いことを思い出し、そちらへ向かいました。

急患として、すぐに救命の措置を始めてくれました。
その光景は、まるでドラマの「ER」でした。
点滴と心臓マッサージと人工呼吸です。
電気ショックも何度も試してくれました。
その時だけは、ピッピッピッという音が聞こえますが、すぐにピーという音に戻ります。
その音が耳に焼き付いています。
先生は汗びっしょりになって、診察台の上でマッサージをしてくれていました。
今までの病歴や呼吸が止まってどれくらいかを話しながら見守りました。
迷子になっていた時間を考えると、止まってから10分近く経っていたのです。

30分を過ぎた頃、先生から当然の言葉を聞きました。
「もしも心臓が動いても、機械で息をしている状態だし、助かっても脳が酸素不足になっているので大きな障害が残りますが、どうしますか」
覚悟はできていましたから「もういいです。充分です」と答え、機械がはずされました。

我が家が駆け込んでから、待合室にいる方をお待たせしてしまったのですが、最初からその様子を見ていた方が、入った時から出る時までずっと泣いていらっしゃいました。
ぷぅたんの様子をみて、気の毒に思ってくださったようです。
いつかは自分も、という気持ちになったのでしょう。
わたくしも同じ立場だったら、そう感じるはずです。
もしかしたら、重病のわんちゃんかねこちゃんの飼い主さんだったのかもしれません。
ぷぅたんをきれいにしてもらうために診察室を出たときに、お待たせしたお詫びと報告をしたら一緒に泣いてくださいました。

車に乗せて帰ろうとした時、後ろの席にぷぅたんのウンチが落ちていました。
ああ、あの時すでにだめだったのだと実感しました。
変な話しですが、最後にぷぅたんが残したそのウンチですら、捨てたくないような気持ちでした。

こうしてぷぅたんは我が家へ戻ったのです。

実家のある箱根へ行っていた母に報告し、きんちゃんとわたくしは何をしたらよいのかわからない時間を過ごしました。
とりあえず、旅行の支度を片付けました。
そうでもしていないと落ち着かなかったのです。

ぷぅたんをとても可愛がってくれた、従弟のしんごくんに電話すると、来てくれるとのことで、お掃除を始めました。ぷぅたんが吐き出したと思われる朝のごはんに気づきました。
やっぱり具合が悪かったのね。ごめんね。
彼がまだ小学生だった頃、実家に遊びに行き、帰る時に寂しくて泣いていたくらい、ぷぅたんのことが好きだったしんごくんでした。
しんごくんと彼女が来て、夕方には母が帰って来て、その夜はぷぅたんの昔の写真を見ながらお別れ会をしました。
彼が帰る時は、見ていてつらいほど、ぷぅたんを愛してくれていたことがわかりました。

きんちゃんとしんごくんがお線香立てとお鈴を買いに行ってくれたので、その夜はできるだけお線香を絶やさないようにしたいと思って、ぷぅたんと一緒にいることにしました。
でも、気がついたら寝ちゃっていました。ごめんね、ぷぅたん。

思い出すのはつらいことなのですが、一部始終を看取ってあげることができて、よかったと思えるし、記憶の整理もできたような気がします。
ただ、最期の瞬間を助けてあげられなかったことが悔やまれます。
あの時気づいて、人工呼吸をきちんとしてあげられたら、少しは違ったかもしれないと思うのです。

わたくしの今までの生活は、いなかった期間の方が短かったくらいに、犬はいつも近くにいる存在でした。
スピッツのコロちゃん、ボクサーのメリーちゃん、ポメラニアンのロンちゃん、捨て犬を保護したアイリッシュセッターのダンボちゃん。みんなわたくしのいない時に天国へ行ってしまったわんこたちです。
だからわからなかったのです。本当にごめんね、ぷぅたん。

わんパラが大好きなわんこたちです。
「わんパラ行く?」「海行く?」「披露山行く?」と聞くといつも「う~わんわん」と言って喜んでいたぷぅたんでした。
最後にわんパラに一緒に行きたかったです。
毎月行っていたのに、先月行かなかったことが悔やまれます。
当日キャンセルにもかかわらず、快く了承していただき、支配人さんから聞いたということで、泉郷本社の方がお悔みに来てくださったことに驚き、嬉しく思いました。

まだ4日しか経っていませんが、ぷぅたんのことを聞いた愛犬家の方は、一緒に泣いて偲んでくださったり、お花を届けてくださいます。
今日もずっとお世話になっていた動物病院の先生からお花が届き、お礼の電話をした時に、いつも明るくわんこを可愛がってくれる病院の助手のお嬢さんが電話口で泣いてくださいました。
最後に会った金曜日の日記に、我が家のわんこが来たことを書いたのだそうです。

ぷぅたんは、いつも控えめで大人しくて、たばうぬの影に隠れているような存在でしたが、わんこ好きの方には、そんな奥ゆかしさがよくわかっていたのでしょう。
ぷぅたんは、本当に人気者でした。
たくさんの方に惜しまれ、可愛がられて、しあわせなわんこでした。

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日曜日リディちゃんとのお別れです。
リディちゃん、わかっていたみたいです。
とても寂しそうな表情でした。
奥にいるうめぽんがカメラ目線・・・・・







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クリスマスのわんパラでプロの方に撮っていただいたぷぅたんの写真です。
我が子ながら、かわいいです~







しばらく、だらだら・うじうじ書いてもいいでしょうか・・・?
by tabith | 2006-02-15 22:09 | いぬ

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